2010年05月17日

「マイ・ライフ、マイ・ファミリー」。(ネタバレ)

何かインスピレーションをもらえないかと観た映画、「マイ・ライフ、マイ・ファミリー」の感想。

未公開作品?なのかな。

最近やたら出演作を観てるフィリップ・シーモア・ホフマンと、え! もう中年なの!? のキュートな女優さん、ローラ・リニーさん。(二人とも大好きなので観てみました)


お話は、父親が認知症になった兄妹の物語。

ただしこの父親、作品では直接的なエピソードやシーンはありませんが、元DV親父。

経済的な理由から二人は父親を老人ホームにいれるんですが、やり取りがリアルで、日本人でもしっかり感情移入できました。

特に兄はブレヒトなんかの演劇研究者で、妹は戯曲作家を目指してる派遣社員なので自分としてはなお更。

冒頭のお婆ちゃん達のチアガールダンスが可愛い。

そして父親も、認知症と言っても軽度なので、割りと重くならずに映画を見守れる。(しかもこの父親も、どうやら過去にDVを受けていたらしい描写があるので、だんだん同情してしまう)

が、その家族模様はやっぱりリアルで、夢を追う自分のような人間としては身につまされる話でした。

観ててハラハラするのはファザコンの妹で、女房と別れる気なんかさらさら無いプロデューサー(かな?)と不倫関係を続け、劇作の賞には落ち続け、派遣も首を切られてしまう。

生活のためとはいえ、被害も無いのに9・11被害者の助成金を受け取ってたり、初めて芝居の台本を誉めてくれた相手(彼女持ち)に感極まってキスをし、誤解されて誘われちゃったり、兄貴には見栄で嘘をついててそれをバラされちゃったりと、これを四十路近くの可愛いローラ・リニーがやってるので、余計ハラハラする。

歳より若く見えるチャーミングなルックスと、テレビのビリー・ザ・ブート・キャンプ(古い)みたいなので鍛えた体、まさに裸一貫しかない彼女の虚栄心が切ない。

兄もなんだか、幼少時代にDV受けた時点で、もう人生葬式ムードみたいな感じで、良くも悪くも妹の派手さは無いが、自分の幸せに対して諦めきったような心の荒み加減は、こちらの方が深刻そうだ。

泣くほど惚れてる恋人がいるのに別離を選び、むせび泣き、自分は鬱じゃないと言う。

だからと言って、ここで問題の父親が、劇的に何かをしてくれる訳でもなく、これも淡々とお亡くなりになる。

中年の子供達は、なんとか一念発起して人生を乗り越えて行く。

全体のトーンも重くならな過ぎず、優しい。

9・11後の内省的なアメリカ映画ですが、生きるって素晴らしい! とか、家族最高! とか声高に言わない、淡々とした感じが胸にヒシヒシくる良作でした。
posted by たいき at 01:09| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画
この記事へのコメント
当然失礼します。先ほどまたthe savagesを見直して前回との評価を全く覆す感想を抱き、ネットをしてたら貴方のHPを見つけたのですが、
最後不倫相手にお願いしたのは、妹の作品の劇化ではなくて、相手の安楽死予定であった犬を譲ってくれというお願いだと思います。彼女は、自力でどうにか劇化にごきついたのではないでしょうか。加えて、お願いの前に私たちのこと以外のお願いだと言ってますし…
Posted by isom at 2013年02月27日 18:59
書き込み、そしてご指摘ありがとうございます。
ラストの件ですが、どうやら僕の勘違いだったようで大変失礼致しました。
少し前の記事ということもあって記憶が曖昧なのと、現在作品を観直す時間がなかなかとれないため、問題の箇所をカットして誤解のないようにしたいと思います。
最近ブログのチェックを怠っていたため、返答に時間がかかってしまい申し訳ありません。
これからもよろしくお願い致します。
Posted by TAIKI at 2013年03月01日 16:01
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