2010年05月02日

「トゥモロー・ワールド」。(ややネタバレ)

台本執筆中に勇気をもらった一本、「トゥモロー・ワールド」をDVD観賞。

SFだが、こんな名作が埋もれていたとは!

お話は近未来、人類はなぜか子供が生まれないという、種の存亡に関わる非常事態に直面していた。

元学生運動家のしがない公務員の主人公は、今も反政府運動をしている元妻から、世界で唯一、妊娠した女性の保護を頼まれるのだが…。


主演は抑制の効いた落ち着いた演技が評価の高い、クライヴ・オーウェンと元妻にジュリアン・ムーア。

ジュリアン・ムーアさんは最近、トンデモな映画によく出ているが、今回はそれを逆手にとるような好演でした。

まず、冒頭の長回しシーンから惹きつけられる。

主人公はいつも通り、朝のコーヒーを買いにコーヒーショップに入り、店を出る。

と、そこで突然、爆弾テロが起こる。

文に書くと陳腐だが、主人公が店にやってきて、店から出てテロが起きるまでをノー・カットで見せる。

何か、事故にいきなり巻き込まれる感覚が疑似体験できる。

この疑似体験っぷりがハンパない。

序盤、中盤、後半と長回しのシーンがあるが、中盤の襲撃シーンの長回しも凄いが、特に後半の戦闘シーンが只ならない緊張感。

正直、最初はカメラに飛び散った血糊がなかなか消えないなぁと、ぼんやり観てしまった。

後で思い返して見直すと、15分近くノー・カット。

これは一体どうやって撮ったのか?

リハーサルはどうしたのかと思ったが、ネットで見たら、どうやら映像技術を使って、画を貼り合わせてロング・ショットのシーンを作ったらしい。

この映画に描かれているのは「ブレードランナー」以降、多く描かれた暗い近未来の姿で、話自体はいかにもSFにありそうだ。

しかし分かっていながら、人類の希望である、生まれてきた赤ちゃんを前にした人々の反応には感動できる。

例えば内容だけ話に聞いたら、フーンで終わってしまう話(なぜ子供ができなくなったかも理由は明かされない)も、映像が鮮烈なだけに感情移入の度合いが並の映画と違う。

そしてやたら映像が印象に残る。

これはどうしてだろうと思ったら、引きの画が多いのだ。

ちゃんと画の構図がしっかりしてて、映像が絵になってるシーンが多い。

最近よく見るハリウッド映画は、ハンディでやたら人物のアップを追うことが多い。

それは臨場感のある雰囲気とスターのアップを堪能できても、画として印象に残らないんだと思う。

えらそうなことを書いてしまったが、かなり刺激される映画らしい映画でした。

ちなみにハリウッド映画だが、舞台はイギリスで、灰色っぽい全体のデッドロックな雰囲気と、劇中に頻繁にかかるUKロックが、大好きな自分としてはまた良かったです。
posted by たいき at 22:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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